DOMAのイタリアグルメレポート [足で集めたイタリア食情報]
イタリアには海外で知られているような“イタリア料理”という料理はありません。各地方によって豊富な食材、それに合った調理法と食べ方まで多種多様です。トスカーナ地方にはトスカーナ料理が、シチリア島にはシチリア料理があります。それらの集まりが、代表的な食材であるパスタ、オリーヴオイル、トマト、ハーブ類で特徴付けられ、他の国から見たときの集合体としてのイタリア料理として形作られています。
パスタといっても北イタリアでは乳製品、肉類を詰めものにしたラビオリ、トルテリーニなどでシンプルなソースで食べるリッチなパスタ類、南イタリアではトマトをベースにしたソースに合わせやすいシンプルなスパゲッティーニなどの麺形パスタが一般的で、種類は数百種類にも及ぶと言われています。
イタリアを旅行する人の楽しみの一つは“食べる楽しみ”でしょう。でもイタリア人の食べる楽しみは、個食ではなく“シェアリング”、家族と、友達と、一緒に楽しい時間と食べ物をシェアしながら食事をする楽しみです。陽気なイタリアの雰囲気には、豊富な料理とこの食べる時間と場所のシェアリングが大きな役割を果たしています。
一般的にイタリア人は食に関しては保守的で、地方地方で伝統を守り続けていますが、都市では食のグローバル化の影響を受け始めている面もあります。イタリア国内でのファーストフードの浸透と、いわゆるイタリア料理の他国への普及です。特にイタリアには日本を含む多くの外国から料理の修業にくる若い人たちがいて、食の現場、特に外食産業の底辺を支えています。
その人たちが自国のよい調理法や盛り付け方法を持ち込み、採用されています。修業後自国で自分の持ち味を生かした方法で“イタリア料理”を広めています。一方でイタリアを発祥とするスローフードの運動も、食の安全と伝統を守るべく広がりを見せています。
食の面でもつながりの深い日本とイタリア、変化しながらもしっかりと伝統を守り続けているイタリアの食事情を、目に見える形で「DOMAのイタリアグルメレポート」としてお伝えすることで、より楽しい食生活の情報としてお役立て頂くことができればこの上ない喜びです。
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