エミリアロマーニャ州
●パルマ
パルマは生ハムとパルミジアーノレジャーノで有名な地域ですが、食品加工ではパスタ製造大手のバリラ社の工場があることでも知られています。また、毎年5月には食品展覧会Chibus(チブス)が開催される町でもあります。
生ハムは製造管理の難しい食品ですが、パルマの生ハムは輸入基準の厳しい日本に一番最初に輸入が認められた生ハムで、厳しい管理基準によって製造されています。
近隣にはバルサミコ酢で有名なModena(モデナ)があり、バルサミコ酢の生産を大規模に行い輸出もされています。熟成期間によって味、風味が幾段階にも格付けされるバルサミコ酢ですが、大量生産されるモデナのバルサミコ酢と共に、最近では近隣のReggio Emilia(レッジョエミリア)県で生産される高品質で少量生産のバルサミコ酢がイタリアでは評価されています。
パルマの生ハムとレッジョエミリア産バルサミコ酢、北イタリアのパスタを堪能リストランテ・プラテール(Ristorante Prater)パルマ産生ハムの盛り合わせと30ヶ月熟成のパルミジャーノレジャーノに28年熟成のバルサミコ酢をかけて味わう北イタリアの前菜には、詰め物をしたパスタ、ラビオリとトルテリー二が続くのが定番コースです。
リストランテ・プラテール
●ポローニャ
エミリア・ロマーナ州の中核都市ポローニャはボロネーゼソース(ミートソース)の発祥地として知られています。街中のレストランで提供されるボロネーゼソースパスタは牛肉の味が濃厚で、お肉たっぷり、平麺のタリアッテレとソースの相性は抜群です。
ところで、イタリアにはレストランへのワインの持ち込みという習慣があります。ご存知の方がいると思いますが、オーストラリアなどで普及しているレストランへの飲み物の持ち込みBYO(Bring your own)に似た習慣です。イタリアではPTV(Porta il Tuo Vino)と言われています。記念日などに飲みたいワインをストックしているけれども、大層な料理を家庭で作るのはどうもという場合には利用されるようです。
このレストランへのワインの持ち込みはボローニャにある「ダ・アメリーゴ」というリストランテが80年近く前にボローニャ郊外で始めたとされています。顔なじみのリストランテでは利用できる良い習慣のようです。
●レッジョエミリア
伝統的なバルサミコ酢の生産地として有名なレッジョエミリア地区では、バルサミコを使った料理が多くありますが、バルサミコトッピングのリゾットはお奨めです。
牛ミンチ肉とパイナップルのみじん切りをバルサミコ酢で煮込み、クリームチーズで仕上げたリゾットにトッピングして仕上げます。トッピングを少しずつリゾットに絡めて食べると絶妙の味わいです。
イタリアでのバルサミコは本来レッジョエミリアの隣町モデナが有名ですが、2009年に法律が改正されて、バルサミコ酢を短期間に大量に効率よく生産できるようになりました。
モデナでは最近は大手の造り手が、それを利用して超短期間で醸造したバルサミコにヴィネガーを加えて酸味の調整をし、更に着色料としてのカラメル色素を加えて製品化し、出荷しております。日本にはこの大量生産されたバルサミコが多く輸入されて販売されています。
一方で、レッジョエミリア地区の小規模な作り手は、伝統的な長期熟成を守り続けており、何も加えない本格的木樽熟成で、本家モデナのバルサミコを超えたと言われています。
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